リカーブボウのチューニング

NO 項目 推奨値など チューニング箇所など チューニング方法など 的迄の距離
弓の強さ(男性) 競技用のカーボンリムを使用して実質ポンドが34〜36ポンド程度は必要 ポンドアップには筋肉トレーニングなどで基礎体力をアップしながら、必要な筋肉を付けていくことが重要です ハンドルやリムの組合せで自分に合った弓の強さを選択する 最長90m
弓の強さ(女性)
競技用のカーボンリムを使用して実質ポンドが30〜32ポンド程度は必要 最長70m
センターショット
弦がハンドルの中心と同じライン(センターショット)上にあることの確認 リムチップを傾ける調整機能がない場合には、リムの溝の部分にニス等の塗料を塗ることで、リムのチップを傾ける事が出来る 弦がセンターショットにない場合は、リムのチップをどちらかの方向に傾ける必要がある。最新のモデルでは調整機構がついているものがほとんどである ――
ハンドルのウインドウ部の確認
ウインドウの深さと弦のオフセットがほぼ一致すること。 この項目は確認のみで調整は出来ない。ハンドルとリムの確認のみである。 ハンドルのウインドウのフラットな部分にTゲージをあて弦のオフセットを測定する。ハンドルセンターからウインドウのフラット部分までの深さと弦のオフセットが一致すれば、ハンドルとリムの組み合わせは最適である ――
弦の太さ
自分に合った弦の太さを選ぶ 弦の原材料となる原糸の太さ(デニール数)は素材によって違うため、原糸の種類によって望ましいストランド数は異なる 弦が細いと矢速は増すがミスが顕著に表れ易く、太い弦は安定した結果をもたらすと言われている。弦の太さはグルーピングをチェックして決める必要がある ――
ブレースハイト
(ストリングハイト)
メーカーの推奨値の範囲内 最も弓の音が静かになるポイントが最適なハイトである 弦を捩り、ブレースハイトを合わせる(右利きのアーチャーの場合は、上からみて時計方向に、左利きの場合は反時計方向にそれぞれ捩じり長さを調整する ――
ティラーハイト
リリース後ノッキングポイントは上下してはならない。水平に動くこと ティラーアジャスター装置(調節することによってポンドも変わる)を使って、希望の「差」に設定する ティラーハイトのバランスが悪いとリムがばたつきノッキングポイントが上下する。一般的には 上リム側が +2〜15mm(最大でも20mm以下)程度(上のリムより下のリムの方が強い)になるように設定する ――
プランジャーの位置
目で見て弓のセンターショットを合わせ、矢のポイントが弦からやや左に見えるようにする プランジャーの位置を調節する プレッシャーポイントが発射の矢の圧力でへこむので、センターショットより矢がやや左に向くようにする(左の弓を使用している人は逆) ――
プランジャーの強さ
プランジャーのバネ圧は中間から、少し強いくらいに合わせる プランジャーの調整はネジを緩め、回して行う。調整する前の状態に戻せるように、何回まわしたかを覚えておくと良い 高いポンドでカーボン矢を使用する場合、バネ圧が弱いとプランジャーチップは内側に引込み過ぎ、ミスした場合はミスが増幅する ――
レストの高さ
プランジャーチップの真ん中に接するように取り付ける 金属または、プラスチック製のレストをハンドルのプランジャー取付け穴に沿って両面テープで張り付ける レストアームの角度も考慮に入れて矢こぼれや羽に当たらないように貼り付ける。レストのアームは、上から見た時に矢の外側に出ないようにカットする ――
ノッキングポイント
下のノッキングポイントが、レストから弦へ垂直に伸ばした位置から1/4〜1/2インチほど上に来るように付ける 矢が下を向くように弦にノッキングする。ノッキングポイントがしっかりとしていれば、矢は弦から落ちず、かつ、指で弦を少し叩くと矢が弦から落ちる程度の固さにする Tゲージがしっかりと弦に取り付けられていることを確認し、ポイントを決める。サービング用糸等を使いポイントを作る。ノッキングポイントができたら、少量のフレッチタイトなどを付ける ――
ノッキングポイントの
チューニング
矢が水平(的に対して垂直)に刺さっていれば良い 的に当たった後に、ノックが上向きになっていたらノッキングポイントを下げ、下向きならば上げる 近射の位置(7m)から水平にベアシャフトをシューティングして、ノッキングポイントの良いところを探す 7m
クリッカー
引き尺に合わせる ポイントが5mm程度以上クリッカーに隠れているようなら、クリッカーを前に出し、クリッカーの位置はポイントの先端まで2〜3mm程度が望ましい フルドローに合わせて、クリッカーの位置を決める ――
10 サイトバーの傾きの確認
サイトバーは弦と平行であること サイトバーが弦と平行でないとサイトを上下に動かした時、サイトピンがセンターショットから左右にずれてしまう サイトバーに平行になるように正確に切った紙等をサイトバーに平行に貼り、弦と平行であることを確認する ――
サイトピン
センターショットを見た時にサイトピンの中心が、ちょうど弦のラインに来るように調節する サイトバーにサイトブロックを付けてサイトピンを左右に動かして調整する サイトブロックを上下に動かした時にサイトピンが弦のラインの上にきているかを確認する。距離により射形等の影響でサイトを左右に動かさなければならない場合はサイトバーをわずか傾けて使用する場合がある ――
11 スタビライザー
(センターロッド)
リリース後にセンターロッドが前方(的側)に倒れるようにセティングする 矢が離れていった直後のロッドが一瞬でも上に跳ねていたら、ウェイト不足である ウエイトを追加して重心を前方(的側)に移動させる。また、サイドロッドを短くしたり、Vバーの角度を下向きにする事でも同じ効果が得られる ――
スタビライザー
(Vバー)
左右の回転を減らし、振動が手に戻ってくることを軽減 センターロッドのカウンターバランスにもなる サイドロッドの長さを変えたり、Vバーの角度を変えることでセンターロッドのカウンターウエイトにもなる ――
スタビライザー
(アッパー)
サイトの振動を軽減、手に伝わる振動も減る サイトのネジの緩み等も減る ハンドルの上部にアッパーをつける ――
12 ペーパー
チューニング
矢の穴のの大きさは1〜1.5cmほどになれば良いが、コンパウンドボウのようにリリーサーを使わない限り、左右の破れはある程度やむをえない。実射して、まっすぐ飛んでいる様に見えたら問題はないとする 水平に矢を放つ。斜めに打ち出さないこと。その紙の破れ方を見てノッキングポイントとプラジャー等の調整を行う ペーパーチューナーのフレームを的から1〜2mほど手前の肩の高さに設定する。2〜3mフレームから離れた位置に立ち、サイトは18m位で行う。このテストを5m以上離れて行っても意味がない 3〜5m
このような穴は理想的である アーチェリー 矢飛びが良い
―― アーチェリー ノッキングポイントを高くする
羽がレストに当たる等の場合も同じような現象になる アーチェリー ノッキングポイントを低くする。レストのアームは、上から見た時に矢の外側に出ないようにカットする
右利きの場合、左利きは逆になる アーチェリー プランジャーのバネを固くする。それでも改善しないならば、矢のポイントを軽くするか、弓のポンドダウンをする
右利きの場合、左利きは逆になる アーチェリー プランジャーのバネを弱くする。それでも改善しないならば、矢のポイントを重くするか、弓のポンドアップをする
13 ベアシャフト
チューニング
完成矢とベアシャフトのグルーピングが一致すること より精密にノッキングポイントの高さを決め、プランジャーの適切なバネ圧を決める 的を15〜20mの位置に置き、18mのサイトで、完成矢と羽がついていないベアシャフトを、それぞれ射つ 15〜
20m
ベアシャフトのグルーピングの方が にある場合 ノッキングポイントを高くする
ベアシャフトのグルーピングの方が にある場合 ノッキングポイントを低くする
ベアシャフトのグルーピングの方が にある場合 プランジャーのバネを固くする。それでも改善しないならば、矢のポイントを軽くする(スパインを硬くする)か、弓のポンドダウンをする
ベアシャフトのグルーピングの方が にある場合 プランジャーのバネを弱くする。それでも改善しないならば、矢のポイントを重くする(スパインを柔らかくする)か、弓のポンドアップをする
NO 項目 推奨値など チューニング箇所など チューニング方法など 的迄の距離
14 矢の選定(スパイン) ポンド秤で弓の強さを測り、矢のメーカーのスパイン表に従って決定する 同じスパインの矢が、他と違う場所に当たることがまれにある。グルーピングする矢は試合で使い、中心より離れた場所に当たる矢は、近射などで使う ベアシャフに番号を付け、30mのシューティングで矢のバラツキをチェックをする。 30m
矢の重心(FOC) 望ましいFOCは矢の中心より前方10〜15%であると言われている FOC(%) = (矢の中心から重心までの距離) / (矢の全長)×100

矢の全長=ノックの溝の底からポイントの先端までの長さ
矢の重心はポイントの重さと矢の長さや重さによって決まる。

矢の重心は矢の中心よりも前方になければならない。

矢の中心に重心があると、矢は浮いて外的影響で、本来のコースから外れる。

矢の中心より後方に重心がある矢は使い物にならない(一般的にはこのような事はまず起こらない)。

飛行力学上の重心より後ろに矢の重心があれば、矢は逆さに飛ぶことになる
――
ポイントの重さ FOCが前方10〜15%の範囲内になるように選定する 重いポイントは軽いものに比べ、風に強い。しかし、重いポイントの矢を弱い弓でひくと、矢の弾道が高くなり、風の影響を受けやすくなる。 ポイントの重さを変えることでスパインを少し変える事が出来る。

ポイントを軽くすることでスパインを少し硬くでき、重くすることでスパインを少し柔らかくできる。
――
羽の選び方 矢のサイズや長さ、重さに合う羽を見つける 羽がシャフトのサイズや矢速に合っていない時、矢飛びや的中やグルーピングに差が出る 矢をいくつかのグループに分けて、それぞれに異なった羽を付けてシューティングし、グルーピングを確認する。

羽は取り付け角度を増すと、矢の回転が良くなってグルーピングし易くなるが、空気抵抗を受けるので矢飛びが悪くなる。

矢の回転方向は右利きの選手にとっては時計回りで、左利きの選手の場合は反時計回りである
――
矢飛び 矢は真直ぐに飛ぶのが理想である リリース時に矢がレスト、プランジャーのプレッシャーポイント、サイトと接触しないようにする必要がある 弓のセンターショットを正しくチューニングする。チューニングされていないと、わずかなミスでも増幅され、特に風が強い状態の時は影響が大きい。

リリース時の弦は指が離れるよりも速く抜けて行くので、弦は指を押しのけて指を回り込みながら前に進む。弦の力が矢のノックエンドとポイントに影響を与え、矢は蛇行しながら(パラドックス)飛び、20〜30m飛ぶと蛇行は減少し、真直ぐ飛ぶ様になる。

矢の蛇行する量はリリースの精度によって変化する。リリースが一定でないなら矢飛びは一定せず、グルーピングは望めない
――
15 タブの変更
タブが馴染んできたり、新しくした時は弓を再チューニングする必要がある タブの状態が変化すると、矢飛びやチューニングの状態が変化する場合が多い 馴染んだタブや新しいタブで必要なチューニングを行う ――
16 チューニングの再確認 時々、使っている矢とベアシャフトを使ってチューニングの状態を確認する 必要に応じて弓のチューニングを行う ベアシャフトが使用している矢と違うところにグルーピングするようなら、再チューニングが必要 ――

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